或る国家の終焉 その1
今、我が国は疲弊しきっており、国民は貧困に喘いでいます。国民全体の中央値の年収は300万を切るところまで来ており、世界各国との比較でも韓国どころか今やスペイン以下の収入しか持てない我が国です。そして、現時点でも年収は下がり続けており、経済学者によると数十年後には、我が国はアジア最貧国(世界最貧国?)に転落すると予測されているそうです。
30年前に世界一の経済大国となった(所説ありますが東京証券取引所の取引総額がNY証券取引所のそれを超えたことをもって世界一とします)我が国でしたが、その後の30年間はOECD諸国の中でも唯一収入が下がり続ける惨めな国家に成り下がっています。なぜこのようなことになったのでしょうか?現在の我が国の経済現状を考える前に、まずはそのことについて考えてみましょう。
日本経済がバブルの絶頂期から転落する契機となったのは、複数の要因が考えられていますが、その中でももっとも大きかったのが消費税の導入だったといわれています。それまで物品税(車や家などの贅沢品の購入に5%の税金を課していた)が存在していましたが、平成元年に物品税を廃止し、代わって消費税ですべての物の消費に対して3%の税金が課せられることになりました。
そして、この消費税導入に際して公的なアフターケアを怠った我が国では、徐々に消費が冷え込み続けていったのです。消費の冷え込みは経済の停滞を招き、結果バブルの直線的な崩壊を招く結果になったのです。経済のソフトランディングならともかく、緊急着陸のように我が国経済はいきなりドンと急降下し乱暴に滑走路に着陸、というより墜落したのですから、飛行機に乗っていた国民はたまったものではなかったでしょう。
これは、明らかに当時の執権政党(自民党)による経済失政です。本来であるなら、自民党は解党に追い込まれてもおかしくない状況だったのです。しかし、解党されるべき自民党は今ものうのうと生き残り、国民そっちのけで明治以来の増税路線を財務省の学歴バカ官僚の言うがままに推し進めるだけの無能政治が続いているのです。愚かな限りと言わざるを得ないでしょう。