欧州に吹くナショナリズムの風

英国総選挙で保守党が単独過半数を得る大勝利を収めました。事前の予想では、保守党が政権の座から追われるのではないか?と危ぶむ声も聞こえていましたが、蓋を開ければ与党保守党の大勝利という結果に終わり、英国メディアほか各層を唖然とさせています。一体、これはどういうことでしょうか?なぜジョンソン首相は下馬評を覆して勝利を収めることが出来たのでしょうか?今日はその辺りを話していきたいと思います。

まず、言うまでもありませんが、英国メディアによるミスリードがあったことを指摘しなければなりません。これは英国に限ったことではなく、全世界共通ともいえるものであり、メディアの屑っぷりは目に余るものであります。英国フェイクの筆頭たるBBCなどは、この煽りを受けて、今後、保守党によってスクランブル化など巨大なメディア利権にメスを入れられることになり、戦々恐々としていることでしょう。

こうしたメディアによるミスリードのほかに、英国内で抱える人種問題もあります。これについては、英国史を紐解かなければならず、とてもここでは書ききれませんので割愛させて頂きますが、要するに英国がスペインとの戦争に勝利し、日の沈まぬ帝国を築いてより、全世界に植民地を拡大したことによる弊害が現在の英国を覆っているということです。確かに、この件に関しては英国の自業自得と言えなくもないのですが…

とまれ、英国では現在、様々な人種が入り乱れており、中でも首都ロンドンではムスリム勢力の浸透が著しく、「エリザベス女王はムスリムに改宗しろ!」「バッキンガム宮殿をモスクに建て替えろ!」などと耳を疑うようなスローガンを掲げて、平然とロンドンで活動を続けるムスリム工作員もいます。ロンドン現市長はムスリムであり、耶蘇教以外の市長が誕生するのもロンドン史上初めてのことです。

さらに、ユダヤ人問題も現在の英国を暗雲のように覆っています。ユダヤに対して少しでも批判的なことを言えば「ヘイト」に当たるとして、即逮捕起訴されるのが当然となっており、その意味では日本などまだまだといったところでしょうか。ちなみにこれと同じ構造が、ドイツの「ナチス問題」であり、ナチス問題を言上げしただけで逮捕起訴されるのと同様です。欧州の民主主義は崩壊しつつあると言って良いのでしょう。

こうした現状に、英国民が怒りの意思表示をしたということなのです。もちろん、一番の争点はEU離脱問題ですが、それも含めて英国では、労働党の主張するEU離脱の中止、国内でのいっそうの移民受け入れ拡大などの政策にNOを突き付けた形になったのです。ちなみに、来年1月末のEU離脱に関しては、今回の保守党の勝利によって滞りなく推進されることが確実であり、EUの崩壊に弾みがつくものとみられます。

こうした流れは、英国だけではなく、フランスではマクロン大統領の失政によって、各地でのデモが相次ぎ、次の選挙では確実にフランス右派の国民戦線が議会・大統領選挙でこれまで以上に健闘するのではないか?と言われています。ドイツでは、すでにメルケル政権はレームダックに陥っていると指摘されています。地方では連戦連敗を繰り返しており、次の国政選挙では「ドイツのための選択肢」が議会で大きなウェイトを占めることが予想されています。

このように、欧州では足並み揃えて、右派(ナショナリズム)が台頭しており、移民排斥・反対に世論が向き始めています。それもこれも、左派の主張してきた「グローバリズム」とやらが、自国民を弾圧する主義であることが知れ渡り、実際に各国で移民との対立、それに伴う社会保障の偏った使われ方(移民者に手厚く、自国民には冷淡な政策)に有権者のバネが右に傾き始めているということなのです。

こうした欧州の流れを見るにつけ、我が国も同じ道を辿っている様が、何とも情けなく、また愚かしいと嘆くほかありません。先達が身を持って移民の危険性、外国人政策の誤りを教えてくれているのに、わざわざその先達たちの過ちを繰り返す我が国政府。しかし、その愚かしさは、国民に帰結すべき論点であり、有権者たる国民が猛省すべきことなのです。欧州のようになってはいけない、それが日本第一党の主張です。

国民が賢くあってこそ民主主義は成立する、その言葉を痛感する今日この頃です。共産主義の大部分は滅びました(一部の国でしぶとく生き残っていますが)、しかし民主主義もこのまま有権者が愚かしいままでは、共産主義と同じく、腐り始め何れは消えていくでしょう。次の世代に我が国を残すこと、我が国の歴史、伝統、文化を伝えていくにはどうすれば良いのか…歴史は私たちに常に問いかけ続けているのです。