憲法と自衛隊と支那事変part.2

令和四年八月四日、米国下院のペロシ議長を迎えた台湾に対し、軍事的圧力を高めるために支那中共が台湾近海で軍事演習を行い9発の弾道弾を発射しました。うち、5発が日本の排他的経済水域内(EEZ)に着弾したものとみられ、これに対して岸防衛相が支那に対して強く抗議を行ったと報じられています。

北朝鮮に対しても同じですが、我が国のEEZでは漁業を中心に民間が業務を行っており、そこにミサイルが着弾するという悲劇が起こる可能性もあります。だからこそEEZ内での安全操業を守る義務が国家にはあるのですが、その意思は日本政府からはまったく感じられない「抗議」です。実際、その後の支那中共政府の対応が酷いものです。

この「抗議」とやらが行われた直後に、支那は「日本の懸念は受け入れられない」「台湾問題に日本政府は口をはさむな」と何様のつもりなのか、このような発言を行っています。ようするに、日本の防衛大臣の「抗議」など歯牙にもかけない支那中共政府の傲慢外交が露になっただけであり、我が国の外交的敗北がまた一つ積みあがっただけなのです。

我が国において自衛隊という強力な手札を十全に活用出来ないのは、その運営方法に欠陥があるからです。我が国の憲法は第九条において軍隊の設置を禁じており、そのために警察予備隊の延長線上として自衛隊を置いているのです。ですから、どこまで行っても自衛隊とは「武装警察」の役割しか担えず、国防を受け持つことは不可能なのです。

では、これまで自衛隊が果たしてきた役割とは?と論じる人がいますが、それは米軍の補完勢力です。米国の良きパートナーという名の、米軍の補完勢力としてのみ存在を許されたのが自衛隊であり、我が国の防衛を担う主力はどこまでいっても米軍であるという事実にどれほどの人が気が付いているのでしょうか?

どう見ても自殺行為でしかない「他国に自国の防衛の主力を任せる」ことを現行憲法は規定しているともいえるわけです。たまたまそれが80年に及んで上手くいっただけの話であり、今回の支那事変part.2ともいえる状況に、「防衛」は脆くも崩れ去ろうとしているのが現状です。この欠陥だらけの憲法に疑問を感じる人たちも増えてきています。

大東亜戦争敗戦後に米国が日本に押し付けたハーグ陸戦条約違反(占領統治下における創憲の禁止)の日本国憲法で我が国を守ることは叶いません。我が国を守るために、日本の日本による日本のための憲法が今こそ求められているのではないでしょうか。