ロシアの核 日本の覚悟

突然ですが、ロシアが核兵器を使用する可能性が高まっています。先月末から始まったウクライナ・ロシア戦争(ウ露戦争)ですが、当初予想されていたロシア軍の電撃戦が上手くいかず、ウクライナの首都であるキエフ攻略戦が何日も続いている有様です。これに対して、プーチン露大統領は抑止力(核戦力)の即応体制を命じる大統領令を発令しました。

現在、両国間で停戦合意が始まったと伝えられていますが、その内容は余りにも隔たりが大きく、そもそもロシア側が最初から停戦をする気が無いのではないか?とも指摘されています。ロシア側の停戦交渉の代表者は軍関係者ではなく元文化大臣という肩書。あくまで自分たちは停戦交渉を行ったのに、それをウクライナ側が蹴ったのだと主張するためのパフォーマンスというのが大方の見方です。

この核兵器を脅しに使うということに関して、反核思想を刷り込まれている日本人は無条件に反発をするのでしょうが、「核兵器はブラフ(脅し)においてのみ有効である」という戦術のセオリーからすれば、当然の選択でもあるのです。ただし、核兵器の即応体制まで整えたというのが、今回のブラフがこれまでと違うところでしょうか。

また、キエフを攻めていたロシア軍側が、いったんキエフから軍隊を引いており、現在キエフ各所で住民に避難を呼びかけていることも確認されています。ロシア軍がこのような措置を取るのはどういう理由でしょうか?状況から鑑みて、キエフに戦術核もしくはそれに類する気化爆弾などの大量破壊兵器が使用される可能性が高いと判断されるのです。

もちろん、核が使用されると決まったわけではありませんが、その可能性が非常に高くなっているのも事実です。このときに、我が国はどうするのでしょうか?仮にロシアが核を使用した場合、日本は不倶戴天の敵としてロシアを糾弾することになると思いますが、それまでロシア側と交渉を続けてきた自民・公明の連立与党の責任はどうなるのでしょう。

ロシアの兄弟国ウクライナで核が使用されれば、極東で北方領土問題を抱える異民族の我が国への核の使用など躊躇なく行われるでしょう。今、我が国において核武装の論議が必要となっています。十年以上前から八月六日に広島に入り、我が国の核武装の必要性を桜井は説いてきましたが、多くの人たちの耳には核武装を訴える声は届きませんでした。

しかし、今ならなぜ核武装を叫んでいたのか?という点もご理解頂けるのではないでしょうか?核の惨状を受けた我が国だからこそ、二度と核攻撃を受けないために、核武装をしてわが身を守るべきなのです。今回のウ露戦争で、はっきりわかったことは米国との条約もあてにはならない、ということでしょう。米国は日本に利が無いと判断すれば容赦なく切り捨てます。

そして、その米国は日本に「軍隊」を持つことを求めています。簡潔に言えば、世界の警察官役は止めたから自分の身は自民で守れと言っているに等しいのです。身勝手な米国に腸煮えくりかえる人もいるとは思いますが、これが世界というものなのです。自衛隊を軍隊にするだけでも恐らく長い年月がかかるでしょう。

更に、その軍隊の戦力増強、徴兵によって整える必要がありますが、兵士に銃を構えて撃つまでを覚えさせるだけでも半年、作戦行動が取れるまでに育て上げるには、数年かかると予想されます。それだけの長い期間を待ってくれる相手ではない以上、我が国に出来る短期的な防衛策として、核武装という選択肢が必要だという訴えは当然なのです。